田舎移住への道 その❸『別荘地を購入してみた』
不動産のような金額の大きい買い物は、「気に入らないから返品します」とできません。
「石橋を叩きまくって渡る」くらい慎重に行動しても良いくらいです。
私たちはこの別荘地の土地を購入するとまでは決めたのですが、どの区域の土地を購入するかを決めなければなりませんでした。
別荘地を移住先と決めるまでの流れはこちらをご覧ください。
さっそく別荘地の土地売買を担当している不動産屋さんに連絡を取り、別荘地の資料と購入できる土地のリストを送ってもらいました。
購入できる土地は15個くらい選択肢があり、
- 土地の広さ
- 土地の傾斜
- どの方向が道路に面しているか
- お隣の家との距離
- 隣が空き地かどうか
- 窓からの景色はどう見えるか
- 生えている木の種類
- 家付きの土地かどうか
- 道路から駐車スペースへの動線
など、全てが違う条件なので非常に迷いました。
今回の土地選びで確認しておいて良かった点がありましたのでご紹介します。
購入するまでの確認項目
❶ 全シーズンで下見
「夏は涼しくて気持ちが良いけど、冬は凍える寒さで生活どころじゃない」など、山の近くの別荘地なので季節によって全く気温や環境が異なります。
また、風向きによって牧場の匂いが流れてきたりするかもしれませんし、落ち葉対策や雨の時はどうなるかなど、下見は何回行っても良いと思います。
私は嫁の実家に帰る度に別荘地の下見に行っていました。
行くたびに「この土地を買うしかないでしょう」と思ってました。
❷ 別荘地の土地売買をしている不動産屋は他にもないか
不動産屋によって土地の値段が変わることがありますので、この別荘地の土地を扱っている不動産屋は他にないかを確認しました。
いくら田舎の土地とは言え、土地の値段は安くありませんから、この作業で数十万円安く購入できるならやらない選択肢はありません。
この別荘地ではこの不動産屋が専属で担当しているとのことでしたのでおとなしく資料を取り寄せた不動産屋で検討しました。
❸ 送ってもらった土地リストの他に選択肢はないか確認
すべての別荘地が同じとは限りませんが、この別荘地の場合は「管理会社が別荘地を開発→不動産屋に業務委託販売」という形態になっておりまして、管理会社が所有している土地を不動産屋が扱って売買しているようです。
今回最もうまくいったポイントは
管理会社が売っている土地ではなく、個人でも売りに出している土地があるのでは?
と調べたことです。
基本的に別荘管理会社は自身が所有する土地を販売し、その後の管理手数料で成り立っています。
もし、個人から購入した場合、購入代金は管理会社に渡りませんし、しかも管理手数料を払う人が変わるだけで管理会社の収入は増えません。
不動産屋は別荘管理会社から業務委託されていますので、優先的に管理会社が所有する土地を売りたいはずです。
ここで踏み込んで確認してみたところ、個人で土地を売却したい人、家を建てたがもう高齢で処分したい人などが見つかりました。
新たに15か所くらい選択肢が増えたことで、より理想に近い土地を選ぶことができました。
管理会社所有の土地を買う場合は売買手数料無料。
個人から購入する場合は通常の売買となりますので売買手数料が発生ということのようです。
❹ 境界線の確認
近隣トラブルにもなりかねない土地の境界線問題。
現在は全国で一斉に土地の境界線を再調査してますが、登記されている境界線と実際の境界線が違うケースがまだまだかなりあると聞きました。
東日本大震災のような大災害が起きた場合、復興した後に境界線までが流されてしまっていたら登記された境界線で判断されてしまうかもしれません。
しっかり現地調査をして、不動産屋にどうなっているかを確認しました。
❺ 売れ残りの不動産ではないかを確認
いくら良さそうだなと思っても一回立ち止まって冷静に考えるのが大事です。
- この物件はなぜ今まで売れずに残っていたのだろうか
- なぜ前の持ち主は手放そうと思ったんだろうか
「私が買うためにみんなが残しておいてくれた」なんてことは絶対にありません。
必ず理由があります。
- 近隣トラブル
- 地盤沈下や大雨の時の水はけが悪い
- 害虫や害獣の被害
- 不法投棄
- 違法建築
- 近隣の相場より以上に高額
など、他にも予想をしない理由があるかもしれません。
不動産屋が全てを把握しているとは限りませんが、知っているは根掘り葉掘り聞いておいて損はありません。
購入したい土地に関わる権利関係の問題など全て確認しました。
❻ 周りにどんな人が住んでいるのか確認
いくら別荘地でご近所づきあいがないと言っても、変な人が周りに住んでいたら最悪です。
この別荘地の土地売買は全てこの不動産屋が担当しているので、住んでいる人も全て把握してくれていました。
どうやら良い人ばかりのようです。
逆に毎日焚火している変な奴が引っ越してきたと思われないように気をつけたいと思います。
❼ お隣さんが定住しているかどうか
お隣さんが定住しているかはかなり重要ポイントです。
定住していなければ何をしても良いってわけではありませんが、気持ち的にはグッと楽になります。
❽ 別荘地の利用規約の確認
別荘地には利用規約と言うものがあります。
- 年間管理料
- 土地・建物の広さによって値段が変動
- 自然環境の維持
- 庭を好き勝手に改造して良いわけではない
- ブロック塀を設置してはいけない
- 自然環境を乱す植物を植えてはいけない
- 建築する際のルール
- 別荘地の雰囲気を壊す奇抜な色の家はNG
- 〇月は建築工事NG
- 民泊禁止
など、別荘地によってさまざまな規約があります。
自分が望む生活が送れるのかをしっかり確認しました。
焚火と薪ストーブ、家庭菜園、バッチリ大丈夫でした。
❾ 売買契約の段取りと値段交渉
今回は土地を手放したいという個人の方から土地を購入することにしました。
売買するとなると、土地の売買代金の他にも年間で払っている別荘管理料、固定資産税、草刈り費用をどう負担するのか、売買契約日を決めなければなりません。
最も大事なのはもちろん土地の売買代金です。
私たちはすぐに移住するわけではないので、移住するまでの数年間は固定資産税と管理料を(無駄に?)払わなければなりません。
しかし、嫁は「この土地じゃないと絶対後悔する」と言っていましたので、誰かに先に買われてしまうことだけは避けなければなりません。
なんとかこのことを悟られないようにして値段交渉をしました。
購入手続き
不動産屋が売主との間に入ってくれて、土地の値段の調整を行ってくれたので無事に契約までこぎつけることができました。
住民票と印鑑を持って、別荘地内の管理事務所に行きます。
- 購入する土地に関する重要事項の説明を受ける
- 土地の登記簿の説明
- 別荘の管理規約の説明
- 建物を建築する際の注意点
- 土地購入代金の振込先と金額を確認
- 別荘管理料の支払いについて
などの説明を受けて終了です。
後日、売主さんの口座に売買代金を振り込み、不動産屋に振り込んだことを伝えます。
詐欺じゃないだろうなと不安になりだしたころに、土地購入の領収書と登記簿が家に郵送されてきました。
ここでやっと100%安心することができました。
不動産詐欺の問題
詐欺に引っかからないためにはどうすれば良いのかという点は未だに不明です。
私が別荘のHPで確認して資料を取り寄せて不動産購入まで無事に終えることができましたが、実際に登記簿謄本が届くまでは100%安心はできませんでした。
- 最初に見つけたHP自体が偽物だったら
- 不動産屋が詐欺師だったら
- 管理事務所の人が詐欺師の仲間だったら
- 不動産売買の担当する行政書士が偽物だったら
- 土地を売却してくれた個人が詐欺師だったら
登場人物全員が詐欺グループだったらどうしようもありません。
私のケースでは管理事務所に勤務している方が、嫁の遠い親戚だということがわかり、そこで全面的に信用することができました。
私が疑い深すぎるのでしょうか。
こうやったら絶対騙されないよという方法があれば教えてください…
別荘地を実際に購入するまでに確認したことと、実際購入するまでの簡単な流れをご紹介しました。
特にうまくいったポイントは、「最初に提示された土地リストの他にも候補はないかどうかを確認したこと」です。
この確認をしたことで理想の土地に出会えたので非常にラッキーでした。
まさにノーリスクハイリターンです。
別荘地の購入に限らず、移住を検討している方、土地選びに迷っている最中の方の参考になれば幸いです。
最後に書きましたが、詐欺の問題は未だに自分でもどうやったら100%防げるのかわからないままです。
専門家に依頼すると費用がかかるし、自分でやると詐欺に引っかかる可能性がありますし、悩ましい所です。
土地の売買はうまくいきましたが、今後も順調に進むとは限りませんので移住が完了するまで気を抜かずに慎重に進めたいと思います。
草刈りのイメトレを開始している管理人:TOMI